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緒言(1ページ) 分子研リポート2010 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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研究施設の現状と将来計画 291

8.研究施設の現状と将来計画

共同利用設備を充実させ,大学等の共同利用研究者の研究支援を行うことが大学共同利用機関の主要な役目のひと つである。1975年の研究所発足当初から装置開発室と機器センターを設置し,1976年に化学試料室,1977年に 極低温センターを設置した。さらに1979年には電子計算機センターに大型計算機を導入し,1983年から極端紫外 光実験施設(U V S OR 施設)で放射光源装置が運転を開始した。これらの施設では単に設備を設置するだけではなく, 共同利用支援業務を滞りなく行うために技術職員を充実させた。また,高度な研究を進めるためには研究開発が不可 欠であり,研究職員も配置した。

流動性の高い分子科学研究所の場合,着任後の研究立ち上げスピードの速さが重要である。また,各研究グループ サイズが小さいことも補う必要がある。このような観点でも施設を充実させることが重要である。それによって,転 出後もこれらの施設の共同利用によって研究のアクティビティを維持することが可能である。研究者が開発した優れ た装置が転出後,施設の管理となって,さらに広く共同利用されるケースもある。このように,研究所として見た場合, 施設の充実は研究職員が流動していくシステムそのものを支援することになる。従って,施設の継続的な運営が重要 であり,毎年,所全体に定員削減,人件費削減の要請があっても施設の技術職員については手を付けず技術の向上に 努め,絶えず技術レベルの高い人材を確保するようにした。技術職員が研究所外に出かけその高い技術力で研究支援 するなどの技術交流を可能とした。さらに長期戦略が必要な施設には教授を置くことで,現在は,施設所属の研究職 員であっても流動性を保てる方向になっている。

現在,極端紫外光研究施設(U V S OR 施設),計算科学研究センター(組織的には岡崎共通研究施設のひとつ)が大 型設備を有し,計画的に高度化,更新を行うことで世界的にトップクラスの共同利用を実施している。国内外には超 大型の放射光施設やスーパーコンピュータ拠点があるが,それらとの連携を図りつつ,差別化・役割分担を行い,機 動性を活かした特徴ある共同利用が進んでいる。分子制御レーザー開発研究センター(1997年設置),分子スケール ナノサイエンスセンター(2002年設置),機器センター(2007年に旧機器センター,旧極低温センター,旧化学試 料室の機能を再構築して設置)は本来の共同利用支援業務を行う一方で,それぞれ最先端の光の創成を目指したネッ トワーク研究拠点事業,ナノテクノロジー・ネットワーク事業,大学連携研究設備ネットワーク事業をそれぞれ受託し, 特定分野の重点的な強化,大学等の研究を支えるシステム作りを行ってきた。また,装置開発室は高度な特殊装置・ コンポーネント開発にその高い技術力を活かすべく,研究所外からの依頼に対応することで共同利用施設としての役 目を果たしている。

(大峯 巖)

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